そばの薬味が果たす役割とは?もっとそばを美味しく食べるための豆知識

「薬味」とは?

そば好きなら高い関心を寄せるネギや海苔などの薬味ですが、そもそも薬味は何のために添えられているのでしょうか?「薬味が付いていた方が美味しいから」という理由だけではないことは想像が付くはずです。

そばが江戸時代に広く食されるようになったことは当時の書物から明らかになっています。特に五代将軍徳川家綱の時代に記された「本朝食鑑」では、わさびや大根だけではなく海苔や唐辛子など、現代にも通ずる薬味が紹介されているのです。

「薬味」とは?
■出典:https://edo-g.com/blog/2016/02/soba.html/2

昔から薬味は、そばを美味しく食べるための重要な位置づけにあったことがわかります。実際、現代でもそば屋は、そばだけではなく薬味にもこだわりを持っていることが多いのです。

自分の店のそばだけでも自信はあるけれど、よりそばを美味しく食べてもらうために美味しい薬味を添えて出すというのが現代のスタンスだといえるでしょう。

薬味にはどんな役割があるの?

薬味はおいしくそばを食べるために添えられているという大前提がありますが、実は薬味による役割や効果もあるのです。

薬味による刺激

まず、薬味の持つ香りや色味で食欲を刺激する役割があります。香りや色味などにより、食べる前から期待感が増幅される効果を実感した人も多いでしょう。期待感が高まると、唾液も出てきていよいよ食べる準備が整うのです。

味を引き立てる

また、薬味にはそばの味をより引き立てる効果もあります。例えばネギを添えた場合、ネギの香りが立ち脳に刺激を与えるだけではなく、味に変化が付き風味も増すことが知られています。

健康増進効果

さらに、香りや色には食欲増進効果もあるため、薬味を見たり香りをかいだりするだけでも「食べたい」欲が増進します。一方、美味しさの裏には健康を助ける要素が含まれていることも知っておきましょう。ネギには血行促進作用があり、大根おろしに含まれるジアスターゼは消化吸収を助ける効果があります。唐辛子なら代謝促進効果のあるカプサイシンが含まれているので肥満予防にもぴったりです。

例えば、長野県南部の高遠町で食べられている高遠そばは、大根の絞り汁に味噌を加えたものをつけ汁としています。地域的な風習でもあるといえますが、大根おろしのジアスターゼを効率よく摂取できる食べ方だということもできそうです。

それぞれの代表的な薬味の働き

それぞれの薬味の働きについてひも解いてみましょう。

ワサビ

江戸時代のそばに関する記録である蕎麦全書では、大根おろしの辛み成分の代用としてワサビが使われるようになったことが記されています。ツンとした鼻に抜ける辛みの後に、そばの味が広がり深みを増すのがわさびの働きの1つだといえます。

有効成分として消化酵素ジアスターゼが含まれていることは有名です。

ネギ

辛みとうまみの両方を併せ持つネギとそばを一緒に食べると、そばの味が一層引き立てられやみつきになる美味しさを感じることができるでしょう。

ネギに含まれる成分としてアリル化合物が挙げられ、ビタミンB1の吸収促進の作用があることがわかっています。

しょうが

しょうがは味が強いので、のせるのはちょっとだけの方がそばの味を楽しめそうです。

ジンゲロールやショウガオールといった成分を含み、それぞれ発汗作用や消化吸収促進作用があるとされています。

のり

決して自己主張しすぎない甘味や苦味があり、海苔と一緒に食べるそばはうまみが増すことが知られています。

のりの代表的成分は食物繊維のため、胃腸の状態を穏やかに整える効果が期待できます。

美味しいおそばと一緒に栄養のある薬味を食べよう!

ここまで、薬味の役割についてお伝えしてきましたが、そば好きならぜひいろいろな薬味との相性を試して欲しいと思います。まずはそばだけで食べ、次に薬味を添えて食べ、味の違いを楽しむのもまた幸せなものでしょう。美味しいそば店のそばであれば、薬味をのせてもやっぱり美味しいものです。

薬味を楽しもうと思ったら、美味しいそばを選んで主役とし、薬味という名脇役の味をそれぞれ楽しんでいくといいでしょう。

粉からこだわった更科そばが大人気の小樽の手打ちそば「いろは」では、そばと薬味の美味しい食べ方についても紹介しているので参考にしてみてください。

透き通った更科そばが食べたくなったら、いろはのオンラインショップからお取り寄せして、自分が好きな薬味を載せてそばを満喫してみましょう。