「手打ちそば」と「機械打ちそば」の違いとは?いろはが手打ちそばにこだわる理由
本格手打ちそば「いろは」の一番の魅力は、「お客様に美味しいと喜んで頂きたい」という一心で作ったこだわりのそば。
今回は「いろは」がこだわる「手打ちそば」と「機械打ちそば」の違いを店主の思いと共にお届けします!
「手打ちそば」ってどんなそば?
「手打ちそば」とは、職人が手作業で作るそばです。そば粉と水を合わせてこねる鉢や生地を伸ばす麺棒、そばを麺状に切る包丁や麺の太さを揃えるこま板といった道具を使い、職人がすべて手作業で行います。
「機械打ちそば」はどんなそば?
「機械打ちそば」は、職人の手作業ではなく機械を使い、ミキサーでそば粉と水を混ぜ合わせた後、製麺機で伸ばしたそばです。
手打ちそばと機械打ちそばの違い
手打ちそばと機械打ちそばには、どのような違いがあるのでしょうか。
水分量とコシ
まず手打ちそばと機械打ちそばでは、水分量とコシに違いがあります。
手打ちそばは、手で少しずつ水を入れていき、全体になじませていくことでたくさん水が入ります。そのため、そば粉の粒子一つ一つに水分が行き渡るので結果として水分を多く含むのです。
その水分の多さが粒子の繋がりを強くする役割を果たし、コシと呼ばれる弾力となり、良い食感を感じることができます。また、水分が多い手打ちそばは茹で時間が短くて済むため、そばの香りや栄養素が流出しにくいという特徴もあります。
対して機械打ちそばは、そば粉をミキサーの羽で回すため、粉に均一に水分が入らず、コシが出にくくなり、トータルの加水量も少なくなります。ミキサーの羽が回っているところに水をいれるので、そば粉一粒一粒に水が入りづらく粉っぽさや水っぽさが残るなどそばの食感が均一にならないのでコシが出にくくなってしまいます。
香り
また、そばの香りの強さに若干の違いがあります。
手打ちそばの場合、そば粉と水を混ぜて捏ねるとき、指先が木鉢にあたりそば粉をすりつぶすような感じになります。このときに、そば粉の粒子がつぶされて、そばの香りが立ちます。一方、機械打ちそばは、そば粉と水をミキサーで攪拌するため、そば粉の香りが少々出にくいことがあります。
その日の気温や湿度、そば粉が持つ水分を指先で感じながらゆっくりと打つ手打ちそばは、機械打ちそばと比べると、そば特有の香りを引き立てやすいのです。
手打ちそばは機械打ちそばよりも手間がかかる
手打ちそばは機械打ちそばよりも手間がかかるそばです。
そばが現在の形で広まり始めた江戸時代、そばの製造方法は手打ちしか手段がありませんでしたが、実は機械のない江戸時代にも「手打ちそば」という言葉がありました。
諸説ありますが、江戸時代における「手打ちそば」とは、手間をかけて作った上質なそばという意味だったそうです。
当時は、つなぎを使わずそば粉のみで打つ十割そばとそば粉8に対して小麦粉2の割合で混ぜて打つ値段が安い二八そばを差別化するために、十割そばを「手打ちそば」としていました。十割そばはつなぎとなる、小麦を使わないため、そば打ちに高度な技術が必要です。
現代における「手打ちそば」とは、機械を使わず職人の手で打ったそばのことを指します。しかし、手間をかけて作った上質なそばという意味では、江戸時代における「手打ちそば」と同じ思いが込められていると言えるかもしれません。
「いろは」が手打ちそばにこだわる理由
「いろは」は、2005年1月にオープンしてから16年が経ちます。手打ちにこだわってそばを打ち続けています。
私たちが手打ちそばにこだわる理由は、機械打ちそばでは決して出せないコシの力強さをお客様に味わって欲しいからです。初めて手打ちそばを食べた時、私は忘れられないほどの感動を覚えました。
その感動をお客様にも届けたいという思いから、「いろは」は手打ちにこだわり続けています。