江戸の老舗!藪そば御三家の「かんだ」「並木」「池の端」を徹底解説!
日本の蕎麦の歴史は、古くまでさかのぼれば縄文時代に辿り着きます。遺跡からそばの花粉が見つかっており、約9000年も前から栽培が行なわれていたといわれています。
そんな歴史ある日本のそばは、江戸時代に「そばの御三家」として「藪」「更科」「砂場」の3つの暖簾が誕生しました。
それぞれに味や食感、つゆなどに特徴がありますが、その中でも今回は、さらに御三家が展開されている「藪そば」について調べてみました。
この記事を読めば、「藪そば御三家」とされる「かんだ」「並木」「池の端」のそれぞれの歴史と特徴を知ることができます。今後のそば選びの参考にしてみてくださいね。
約100年の歴史!老舗のそば「藪そば御三家」とは?
藪そばといえば、淡い緑色の麺が特徴的です。甘皮がついたまま実を挽いたそば粉を使うことで、その独特な色が出るといわれています。
麺はそば粉が10に対してつなぎの小麦粉がが1という割合の外一(そといち)タイプ。十割そばのような歯応えながらも喉越しのよさも感じる食感です。つゆは昆布と鰹節だしで取った辛口でコクのある味です。
そんな藪そばには、「かんだ」、「並木」、「池之端」からなる「藪そば御三家」があります。では、藪そば御三家の歴史やお店の魅力について解説していきましょう。
藪そば御三家「かんだ」「並木」「池の端」をご紹介!
1.藪蕎麦の原点「蔦屋」を伝承!「かんだやぶそば」
藪そばの本家といえば「かんだやぶそば」。明治13年(1880年)創業。東京神田須田町で生まれた100年以上続く老舗のそば屋です。
現在は東京都千代田区神田淡路町で運営されています。幕末にできた藪そばの原点「蔦屋」のイメージを崩さず、その名残を色濃く残しています。
2.初代「かんだやぶそば」の三男が味を継承!「並木藪蕎麦」
大正2年(1913年)創業、浅草発祥の藪そば店。浅草の名所・雷門から150mほどの位置にしているので、観光客などにも人気の老舗です。
かんだ藪そば」の初代田七兵衛さんの三男、堀田勝三さんが創業しました。初代が志した、おいしい蕎麦を探求する求道が、三代目になってもきちんと継承されているお店です。
3.閉業しても味が受け継がれている「池の端藪蕎麦」
昭和29年(1954年)に並木藪蕎麦から暖簾分けされたのが東京都文京区湯島の「池の端藪蕎麦」。かんだ、並木につづき、濃厚で辛めのつゆが人気でしたが、残念ながら2015年から店主の病気療養のため休業を経て閉店となりました。
ですが、「池の端藪蕎麦」で修行した料理人が、静岡県島田市で「藪蕎麦宮本」を経営されていますここのそばつゆは辛汁で、普通のつゆと、さらに濃い江戸つゆがを選べるようになっています。すべてが蕎麦を生かすための研究が脈々と受け継がれているようです。
緑の麺と濃いめのつゆが魅力!藪そばの美味しい食べ方
濃いめの蕎麦つゆが特徴の藪そば。これはせっかちな客のために茹でたての麺に、ちょっとだけつゆを浸けてすぐに口に運べるようにするためだったとの説があります。ですので、つゆに麺を全部浸して食べるとかなり塩気が濃く感じてしまうかもしれません。そばの先端を少しだけつゆにつけるのが藪そばを美味しくいただくポイントです。
もう一つの特徴が緑がかった麺の色。これはそばの実の甘皮の色がついたものです。この甘皮は色だけでなく風味も引き出しているので、すすった時に藪そばならではの香りを楽しむのもおすすめです。
藪そば以外にも魅惑の美味しいそばはまだまだある!
ここまで江戸御三家のひとつ「藪そば」の魅力やお店について紹介してきました。
幕末から人気を博した藪そばは、戊辰戦争の頃に函館、小樽、釧路などの港町にも流れてきました。
そういった歴史、流れがあって現在、北海道は蕎麦の産地として日本一の生産量を誇っており全国の蕎麦屋さんに御愛顧いただくようになり、北海道の蕎麦は独自の美味しさと文化を築いてきました。
元祖そば御三家には、藪そばだけでなく更科や砂場なども人気です。小樽の手打ちそば「いろは」では、そば職人が丹精込めて打った更科そばと田舎そばが楽しめます。
小樽観光のランチにぜひ一杯すすってみてはいかがでしょうか。いろはのオンラインショップでも購入できるので、お気に召した際にはぜひご購入してみてはいかがでしょう。
江戸前御三家についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
そばの江戸前御三家「藪」「更科」「砂場」を徹底解説!美味しい食べ方も!