蕎麦湯の歴史大全!なぜ蕎麦湯を飲むようになったのか発祥はどこなのか
みなさんは蕎麦湯を飲まれますか?
お蕎麦屋さんに行くと蕎麦湯を出されることが多いので、当たり前のように飲んでいるという方も多いのではないでしょうか。
ではなぜ蕎麦湯を飲むようになったのでしょうか。
蕎麦湯の発祥地とあわせてご紹介していきます!
蕎麦湯を飲むようになったワケとは
蕎麦湯を飲む習慣は、江戸時代に始まったようです。
元禄10年(1697)に出された食物全般について記述された「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」には蕎麦を茹でた湯を飲むという記載があるため、今から300年以上前にはすでに蕎麦湯を飲んでいたと言われています。
当時の蕎麦はまだ技術が発達していなかったため、硬い蕎麦の殻が多く残ってしまい、消化不良でおなかを壊すことが多かったそう。
そのため今のように好んで食べられるものではなく、非常食として食べられていたようなのです。
ところが信州ではたくさんの人が蕎麦を主食として食べていて、その光景を江戸からの旅人が目の当たりにしました。
旅人は信州を訪れて蕎麦を食べたとき、すぐに蕎麦湯を出されたのでワケを尋ねてみると、
「蕎麦を食べた後に蕎麦湯を飲むと消化に良い」
と教えられたので蕎麦湯を飲んだ、という体験記が「蕎麦全書」に記されています。
旅人は江戸に帰り、「信濃風」と言って蕎麦湯を紹介しました。
こうして信濃の蕎麦湯を飲む風習が、江戸を中心に広まっていったのだと言われています。
蕎麦湯の発祥は蕎麦の産地ならではのもの
蕎麦と言えば信州を多い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
蕎麦の発祥は諸説ありますが、蕎麦は現在の長野県である信濃から始まったという内容の記述もあるようです。
朝晩の寒暖差の大きい気候とおいしい水に恵まれた長野県は、蕎麦の栽培に適した土地。
また米や小麦が栽培しづらい気候により、長野県では昔からうどんより蕎麦が発展してきました。
消化の悪い蕎麦を食べた後に温かい蕎麦湯を飲んで消化を良くするという考えは、長野県が蕎麦の発祥の地であり、寒い地域ならではの知恵ではないかと考えられています。
蕎麦湯を飲むようになったきっかけと発祥は、おわかりいただけましたか?
現代では栄養面で注目を浴びる蕎麦湯ですが、産地ならではの蕎麦をおいしく食べる工夫だったのですね。
温かい蕎麦湯を飲めば、身体がじんわりと温まってほっと安らぐような感じがします。
心にも身体にも優しい美味しい蕎麦湯を、ぜひたくさん飲んでみてくださいね。
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